快感の螺旋、いまだ終わらず。:「TENGA VACUUM GYRO ROLLER」レビュー

TENGA-VACUUM-GYRO-ROLLER Review
TENGA VACUUM GYRO ROLLER

誰もが後ろめたさを感じることなく、安心して使えるモノ。ポジティブで、オープンで、かっこいいモノを作ろう。

松本 光一(株式会社TENGA 代表取締役社長)

日本で一番有名なアダルトグッズメーカーはどこだろうか?調べるまでもなくTENGAだろう。では、日本で一番優れたアダルトグッズメーカーはどこだろうか?その質問への答えもTENGAであるのかもしれない。アダルトグッズについて深く知れば知るほど、TENGAという企業のプロダクトへのこだわりの深さも知ることになっていく。

そのTENGAが2020年末に「VACUUM GYRO ROLLER(バキュームジャイロローラー)」を発売した。この商品は2015年に発売された「VACUUM CONTROLLER」と2018年に発売された「GYRO ROLLER」を合体させたものだ。 我々SHiCO編集部は本商品の使用を通じてTENGAのモノづくりへのこだわりの一端を見ると同時に、いくつかの課題も見つけることができた。 この記事では 、ある種電動オナホール界のベンチマークともいえる本商品に対して真正面からのレビューを行っていく。

基本スペック

値段23,760円(Amazon)
26,400円(TENGA公式オンラインストア)
刺激タイプ回転+振動
サイズ縦191mm×横86.5mm×奥86.5mm
重さ約530g
騒音計測55dB(家庭用クーラーの室外機レベル)
稼働時間約60分
充電時間約150分
生産国中国
発売年2020年
充電端子DCプラグ
防水機能非防水
動画・音声連動機能なし

総合評価チャート

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外観:さすがTENGA!といわしめる、生活になじむデザイン

本体外観
パッケージ

TENGA はアダルトグッズデザインのリーディングカンパニーである。本商品でもそのセンスは遺憾なく発揮されており、一見するとスマートスピーカーのようにも感じられる、リビングに置いておいても違和感のないデザインとなっている。

本体前面部のボタンと二つの LED はバキューム機能とローリング機能が独立していることを示している。 説明書をなくしたとしても直感で操作できるほど分かりやすいデザインになっている。

取り回し:激しいピストン運動をするには若干重い

重さ実測
オリジナルバキュームカップ装着後の長さ

重さは実測で533g、 長さは19.1cmであるが実際にはオリジナルカップ等を装着して使用することになるので30cm強の長さになり、重さも若干上昇する。 持っている感覚としては、大容量の麦茶のペットボトルを持っている感覚に最も近いだろうか。

使用時に持った印象としては、股間部分で保持しているだけなら全く問題にはならないが、自分の手を激しく上下に動かすことでピストン運動を加えようとするときに、若干重みを感じた。 ただ、ローリング機能とバキューム機能に加えて、ゆっくり上下に動かすだけでも十分な刺激がありフィニッシュまで至ることができたので、通常の使用では重さはそれほど問題にはならないだろう。

基本機能:6種類のバキューム、5種類のローリング

モード説明

バキュームジャイロローラーにはその名の通り二つの大まかな機能があり、6種類のバキュームモードと5種類のローリングモードによって構成される。 つまり30種類の刺激の組み合わせがあるということになる。 

バキュームモードには同じ強さでバキュームし続ける Low & High と、一定の間隔でバキュームと解放を繰り返すリズムバキュームの4種類がある。 私も全パターン試してみたが、個人的にはHighで固定するのが一番気持ちが良かった。 かといって6パターンが全く意味がなかったかと言うとそうではなく、自分にとって一番気持ちの良い刺激のパターンを見つけられるというのはパターンの多さの利点ではないだろうか。

ローリングモードには一定のパターンで左右の回転を繰り返すオートモードが4種類と、ジャイロセンサーによって本体を傾けることで回転の速さをコントロールできるマニュアルモードがある。 オートモードも一定の間隔だけではなく 少し予測しにくいような形で左右の回転を切り替えてくれるモードもあるので、 自分の意識外から機械に責めてもらいたいという人にとっては素晴らしいモードだろう。 しかし、特筆すべきはマニュアルモードの方で、 本体を傾けることによって直感的に速さをコントロールでき、その精度も非常に高い。 マスターベーションの最中に直感的に少ない動きで操作できるというのはとても大きな利点で、例えば動画を見ながら速さを変えたいと思った時に、他の商品のように本体に目を向けてボタンを探したりする必要が全くない。 これはマスターベーションの没入度を高める TENGA の工夫が成功していると言えるだろう。

欲を言えばバキュームモードとローリングモードの双方にランダムパターンが欲しかった。 ランダムパターンがあれば本当の意味で自分の予測しない刺激を与えることができ、 組み合わせが理論上無限になったかもしれないのにと少しもったいないという印象を持った。

これは注意点になるのだが、最初にセットで購入するカップは刺激の弱いものにしたほうがいいかもしれない。 私自身はオリジナルカップのソフト(白)を用い、 心地よい刺激で問題なくフィニッシュに至ることができたのだが、 通常のローリングテンガ(赤)を使った編集部員は、「チ〇ポが焼き切れるかと思った、あやうくチ〇ポだけファイアパンチ(藤本タツキ)のヒーロー、ファイアチ〇ポ(藤本タツキ)になるかと思った。」 という感想を言っていた。私自身はそういった感じを抱かなかったので自分の感覚に合わせて使用するカップは調整していくのがいいだろう。

後処理:圧倒的、TENGAにしか不可能な領域

この商品の最も大きな強みと言えるのが、後処理の容易さである。 この商品はTENGAのオリジナルカップか、 回転刺激を追求して専用に設計されたローリングTENGAシリーズを装着して使用する。 これによって、TENGAの使った後は捨てるだけと言う片付けの用意さを継承したまま、新たな刺激をもたらすことに成功しており、ユーザーにとってはとても大きなメリットをもたらしている。

オナホールを使用したことがない読者のために補足しておくが、一般的なゴム製品で形作られたオナホールでは、ローションをつけて使用することによって股間の周りがベタベタになってしまい、後処理にあたってペーパーを大量に消費するだけでなく、シャワーを浴びることも往々にしてある。 本商品の後処理にストレスを感じない設計は、マスターベーションという総合体験に真摯に取り組んでいるTENGAだからこそ可能な配慮ではないだろうか。

またカップとの取り付けに関してだが本体との取り付けはゴムパッキンによって行われる。初めはカチッという音が鳴ることがないので、使用中に取れてしまったりすることがあるのではないかと不安だったが、自社商品のカップを使用しているだけあってそのようなことは全く起きなかった。 それなりに値段の張る製品というだけあって、 丁寧なつくりを感じさせた。

本体は防水ではないことには一応留意したい。 しかし、本体は手で保持するだけなので、精液やローションで汚れるということはありえないと言ってよい。 本体の掃除はウエットティッシュで拭くなどすれば十分で、防水機能がないということはデメリットというほどではない。

その他:匂いはもちろんなし、音は電動にしては十分許容レベル

騒音実測、70㎝は股間から耳までの距離の参考値
充電端子実測

その他の点だが、 本商品にゴムを使っている部分はないので、臭いは全くしない。 音の大きさは、騒音計によって計測したところ55デシベルで、イヤホンをして動画を見るなどしていればうるささを感じるほどではない。 これらの点について考える必要はあまりだろう。

充電用ACアダプタのプラグは、EIAJ電圧区分3プラグ(外径4.75㎜、内径1.7㎜)となっている。USB端子と違って、代替できるコードがどこにでもあるとは言い切れないので、なるべく無くさないようにしたい。

コスパ:ライトユーザーは手を出しづらいか

本商品の値段は23,760円(Amazon、2022年7月28日時点)となっている。 これまで肯定的な部分ばかりを述べてきたが、最もネックとなるのは値段で、これだけの良い点を挙げても購入をお勧めするとは言い切れない。 さらに本体だけでなく使用のたびにTENGAカップ(定価825円)を買う必要があるのでコストパフォーマンスという点ではかなり厳しいものがあると言わざるを得ない。 オナホールマニアやTENGAファンのための値段設定になってしまっていることは否めないが、 編集部自身が購入した上で後悔はなかったということは言っておこう。

総合評価:少し高いが、世界一信頼できる電動オナホールのひとつ

ここまで書いたように、編集部が感じた本商品の明確な難点はコストパフォーマンスのみである。 編集部員の一人のように、回転系の刺激が苦手な人にはおすすめしないということは先に言っておくが、財布にいくらかの余裕があり、少し新しいマスターベーション体験を求めている人々には強くオススメできる商品である。 日本でナンバーワンのアダルトグッズメーカーTENGAであるだけあって、使用中にストレスを感じることはない。 

オナホールは軽く語られることもある商品だが、男性にとって最も大切な部分に直接触れるモノという意識を忘れがちだ。ある意味では医療機器に近いものでもあると言えるわけで、そういった商品に信頼性を求める方は、日本で最も有名なブランドの安心できる電動オナホールを選んでみても良いのではないだろうか。

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