映像連動型オナホール「シンクロ (SYNCHRO)」の実力

Review

もしあなたがマスターベーションの最先端に興味があるならば、シンクロはその選択肢として非常に魅力的だ。ただ、すでにあなたがテクノロジーを用いたマスターベーションの求道者であるならば、シンクロは実力不足に感じるかもしれない。本記事では、セックステクノロジーを日夜研究しているSHiCO編集部が、シンクロの実力を徹底的に解き明かす。

洗練されたデザイン

これを読む方が男性であれば、人生で初めてラブグッズを購入し、人々が寝静まった頃に胸を高ぶらせながらパッケージを開封したときの高揚感に覚えがあるだろう。シンクロはその高揚感の邪魔をしない。本体をつつむ箱はまるで贈答用ワインの箱のようで、トラディショナルなラブグッズのような卑猥さを全く感じさせない。そのデザインが性衝動を鎮めるかといえば、そうではない。箱から取り出した本体はインテリアとしても違和感がないほどシックな流線型のデザインを保ちながらも、これからもたらされる快感に対する期待感を想起させるものとなっている。

過不足のないスペック

電動オナホールのタイプはおよそ2種類に大別される。サイクロン型とピストン型だ。読んで字のごとく、サイクロン型はホール部の回転運動によって、ピストン型では往復運動によって刺激を与える。サイクロン型は現実の手やセックスの刺激と感覚が全く異なるという欠点がある。一方、ピストン型はサイクロン型に比べて機構が複雑であるため、装置が大型化、高級化してしまう傾向にある。今回のシンクロはハイブリッド型ということができ、回転運動と往復運動が同時に行われることによって両方の感覚を味わうことができる。回転運動を同時に往復運動に変換しているため、機構の小型化を達成しており、重量も500g以下と片手で持てるサイズになっている。

では、ホール部分はどうだろうか。ホールは奥行き6cmの非貫通式で、内部に1.2cmほどの同じくエラストマー製の棒が計45本生えている形状となっている。ホール単体の奥行きは6cmだが、位置が挿入部から少し離れるため、実際の使用における奥行きは約9cm程となっている。このホール自体は単体での使用に適してはいないが、シンクロのホールとして用いたときに真価を発揮する。回転運動をする際に45本の小さな棒がペニスをからみつくように刺激し、弱すぎず強すぎない絶妙な快感をもたらす。挿入部はホール部よりやや固いエラストマーでつくられており、ペニスを適切に中央の快感部へガイドする役割を果たしている。

清掃の容易さも非常に優れたポイントだ。特にホール部分はマグネットで装着されており、少しの力を加えれば簡単に取り外すことができる。もちろん、取り外した部分は水洗い可能である。オナホールを使用する際に問題となる後処理にも配慮が見られる製品設計は見事だ。

スマホアプリのストレスフリーなUI/UX

シンクロに細かな動作指示を与えたり、他の人に操作したりしてほしい場合はシンクロの公式アプリとの連携が必要となる。Bluetoothで製品と接続することで、アプリ上で直感的に操作を行うことができる。連携用の動画を視聴するにはシンクロが運営する外部のECサイトから購入する必要があるが、この手間はiPhone用のアダルトビューワーアプリに共通の問題である。購入した動画を再生すれば、連携されたシンクロが自動で動作し、その動画専用のパターンで快感を与えてくれる。ここにいたるまでストレスを感じるポイントはなく、スムーズに4Dのマスターベーション体験を始めることができる。

中価格帯がゆえの不安要素

ここまで肯定的な評価を述べてきたが、シンクロにも問題は多い。まず、清掃のために分解した際に感じたのが、工業製品としての未熟さだ。モーター部分とホール部分をつなぐ金属棒は耐久性に不安を感じる細さだ。静音性についても、縦にして使用しているときはいいのだが、横にするとホール部分と外装が干渉し、カラカラと音を立てる。この音自体の大きさが問題になることはないのだが、マスターベーション体験への没入感を損なうことは否定できない。そして、充電用端子があまり見ないものであることもマイナスポイントだ。非常に細い端子となっていて、曲がったときに手元に替えの充電器がないことは大きな問題になるだろう。

完成されたサービスがもたらす不自由

シンクロは製品を購入し、動画を視聴するに至るまでのすべての工程が製造元ブランドであるLCラブコスメの管理内で完結している。これは、実際のマスターベーションに至るまでの行程をとても簡便にしているが、ユーザーによる拡張を阻害する。シンクロと連携可能な動画の配信ペースもLCDラブコスメのリソースに依存するため、シンクロを用いて毎日新鮮な体験をし続けるということは難しい。
さらには、遠隔操作の課金システムには不親切さを感じるだろう。遠隔地に住むパートナーによる操作や、リアルタイム配信での操作を受信するためには、3分単位でチケットを買わなければならない。このシステムはマスターベーションに現実の時間という成約をもたらし、ユーザーにストレスを与えかねない。このポイントでのマネタイズが必須であるならば、月単位でのサブスクリプションなどの方法が適切かもしれない。

総合評価:入門としての「最適解」

ここまで多くを述べてきたが、編集部の総合評価は、「動画連動型オナホールの入門として最適」である。これまでオナホールを体験し、動画連動も複数のデバイスを用いてこなしたことがある求道者たちには、やや物足りない製品であるかもしれない。ただし、これから動画連動を体験してみようと考えている方々には、ぜひシンクロから入門していただくことを勧める。シンクロには動画への没入に必要な機能が過不足なく盛り込まれており、スマホを操作できる人であれば最初の体験にあたってストレスを感じるポイントはない。最後まで読んでくださった読者の皆様も、シンクロとともに最先端のマスターベーションの海に飛び込んでみてはいかがだろうか。

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