数々の伝説的なプロダクトを生んだ故スティーブ・ジョブズは、「デザインとは単にどのように見えるか、どのように感じるかということではない。どう機能するかだ。」という言葉を残している。LELO F1S V2の失敗は、皮肉にもその言葉の重要性を実感させてくれることになった。本記事では、SHiCO編集部がLELO F1S V2を実際に購入し使用した上で嘘偽りのないレビューを行う。
LELOがつくり出す世界観への期待
初めてLELOのWEBサイトを目にした我々は興奮していた。サイトのデザイン、PV、プロダクト。LELOが創り出す全てがクールであると感じた。我々SHiCOはもっと性の探求がオープンなものになるべきだという考えからスタートしたメディアだ。 LELOはその実現のための要素をすべて兼ね備え、我々の遠く先を走っているブランドであると直感した。 LELOは主に女性向けのラブグッズの業界で存在感を出しているブランドであったが、男性に対しても非常に自信を持ってプロダクトを送り出していることが見て取れた。 我々はLELOの世界観を体験するために最も適切であると感じられたLELO F1S V2を購入することに決めた。
「どのように見えるか」は完璧
海外からの郵便が編集部に届き、 小さなダンボールを開いた時、我々はその洗練された見た目に高揚した。黒を基調にしたコンパクトなパッケージに「LELO」という金文字が浮かんでいるのを見ると、ブランドに対する自信を感じざるを得なかった。 開封して本体を手に取るとその軽さに驚いた。計測すると277gで、 外装がアルミニウムであることもあり、缶ジュースを手に持っているように感じられた。 外装の一部分から中が見えるようになっており、動作確認のために電源を入れると、赤いライトで内部が浮かび上がる。その様子はまるでディストピア映画の工場のようだった。 その照らされた機械部分はどのような刺激を与えてくれるのだろう、と我々の期待感は高まった。
公式アプリの男心をくすぐるUI
LELO F1S V2の機能を最大限発揮するためにはスマホアプリとの連携が必要である。オンラインで配布されている説明書の QR コードからスマホアプリをダウンロードし、簡単な案内によってすぐに連携することができる。 メインとなる操作画面のUIはまるでバイクのエンジンメーターのようで男心をくすぐるデザインとなっている。 細い部分であるが、右上に常にバッテリー残量が表示されているのも嬉しい配慮だ。
どう気持ちよくなる予定だったのか？
ここまでその優れた見た目のデザインに関して賛辞を送ってきたが、ここからの使用感についてのレビューはかなり冷たいものになるということを伝えておく。 最初にペニスを挿入し、 アプリから本体を動作させた時、あまりに気持ち良さが感じられなかったため操作方法を間違えているのかと思ったほどだ。 本体内部には2種類のモーターが内蔵されているが、 その刺激の違いは全く分からず、ただ2つのモーターを使ってペニスを振動させているという感想しかない。 アプリ内には、本体内部の温度、今与えられている圧力、ペニスの挿入深度と思われる要素が 表示されているのだが、それらを用いてよりいい刺激を与える機能は全くない。 最も致命的なのはペニスの抽挿が全く考慮されていないことで、出し入れをするごとに軟体生物を床に叩きつけたような非常に不快な水音が鳴る。私はその音が不快なので、非常に短いピストンを繰り返し、時間をかけてなんとかフィニッシュに至った。 私は体験を終えた後で、開発者たちにどう気持ちよくなる予定だったのかを問いただしたくなった。使用中に1つだけ褒められる部分があるとすれば、完全防水で洗うのが楽という点だけだ。
最もふざけた要素：アプリ内のミニゲーム
実際使ってみて何も良いことがない商品だったが、我々が笑顔になった部分が1つだけあった。それはアプリ内に用意されたCOCKPITというミニゲームで、本体をペニスに装着して楽しむシューティングゲームだ。 本体を右に傾けるとプレイヤーの機体が右に動き、左に傾けると左に動く。 そしてペニスをストロークすると弾が発射される。 そのゲーム性のあまりのバカバカしさ、くだらなさに既に期待感をへし折られていた編集部は失笑せざるを得なかった。
総合評価：ペニスでシューティングゲームがしたい人にはおすすめ
LELO F1S V2は見た目がとても優れていただけに、落胆も非常に大きい商品だった。いろいろな機能をアピールするのはいいが、それらがどう実際に機能するのかというところを一から考え直していただきたい。
編集部としては、単純に気持ちいいマスターベーションがしたいという読者の方々には到底おすすめすることはできないが、以下にあげる2つの要素のどちらかを持つ読者の方々にこの商品をおすすめする。 まず1つ目は、どうしてもアダルトグッズをインテリアとして飾りたい方だ。見た目はとてもクールで、 一見すると最新のスマートスピーカーのようなので、部屋に違和感なく設置することはできるだろう。2つ目は、どうしてもペニスでシューティングゲームがしたいという方だ。 おそらく現時点でペニスでシューティングゲームができるデバイスは本商品しかないと思うので、そういった方には購入を強くすすめる。
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